身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「と、とにかく、女性との話が噂になったことが全くないほど、潔癖なお方です」

いや、それ、隣国には届いてないだけっていう可能性が大きいんじゃない?
それに、女性に対しては潔癖でも、男性に対しては?なんて思ってしまったけれど、さすがに口にするの憚れる。


いや、でも待って。男性にしか興味がないのなら、嫁いでも放っておいてくれるんじゃあ……

妻としてのお役目は免除されるとしたら、上手く乗り切れるかもしれない。


生きるか死ぬかの究極の2択を突きつけられて、どうやら私の頭は正常に働いていないようだ。少しでも自分に都合のよいように捉えてしまっていることに、全く気付いていない。


「ダーラもイアンも、絶対に一緒にいてくれるのよね?」

「もちろんですとも」

知り合ったばかりとはいえ、同性の見方がついていてくれるのは心強い。隣で頷くイアンが、どれほど戦力になる味方かは安心できなさそうだけど。

宿屋に着いたすぐは、私に対して不安と不信感を抱いていたダーラだけど、こうして話しているうちに、少しだけ打ち解けてきたし、希望の光が見えた気がする。