身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「実は……さや香様を見つけた時、心臓が飛び出るかと思うぐらい驚きました」

「わ、私もでございます」

2人して、なにを言っているのだろうか?
ジロリと疑わしげな視線を向けた。


「さや香様とソフィア様は……信じられないぐらいそっくりなんです。いいえ。さや香様はソフィア様そのものなんです」

「は?」


またそんな口から出まかせを……
いくら身代わりが必要だからって、つくならもっとマシな嘘を言えないのだろうか?

なんて私が疑っているのが伝わったのか、2人の眉間に皺がよった。


「これを」

そう言ってイアンが、懐から取り出した紙を差し出してきた。それを、そっと受け取る。

「こ、これ……」

「ソフィア様の肖像画です」

渡された紙に描かれていたのは……

「……私?」


私とそっくりな女性。わずかにカールした、ダークブラウンの髪も、漆黒の瞳も同じ。

着色まで凝ったこんな絵を、すぐに描けないことぐらい私でも一目でわかる。そもそも揺れる馬車の中で描けるわけがない。
だとすれば、この絵はずっと前に描かれたもののはず。