身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「団長!!」

休憩もそろそろ終わりかしら?と考えていた時、背後からかけられた声に、ビクッと体を縮こませた。それは私の膝枕で寝ていた狼にも伝わったようで、不機嫌そうに鼻を鳴らした。

『しまった……』

〝サーヤの体温が心地良すぎて、狼にはあるまじきことに、熟睡してた〟なんて言いながら、ガバッと体を起こす。


「逃げたら承知しませんよ」

ジリジリと近付いてくるバーンハルド。
エディの右腕でもある彼は、〝絶対に逃がさない〟と、鋭い目を彼に向けている。
それにエディも観念したのか、逃げるのは諦めたようだ。


『サーヤのせいだ……』

「へ?」

狼に、なじるような目を向けられて、ポカンとしてしまう。

『サーヤの歌のせいで、熟睡してしまった。バーンハルドの足音に気付けないとは……』

そういうことか。
いつも〝癒せ〟って、歌うことを要求してくるから、ついつい彼を撫でながら歌っていた。
きっと、エディは寝不足だったのね。私もだけど……