身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「だから、あなたがソフィア様になるのです」

「…………へ?」

この人、なに言ってるの?私がソフィア様になるなんて、なんの冗談?

「はあ……」

お腹の底から盛大にため息を吐いて、額に手を当てる。

「やっぱり私、あの事故で死んじゃったのね。猫を助けようとした結果だもの。きっと、地獄には連れて行かれないはず。
その代わりに、なんか変なことを言う人達に捕まってるけど……あの世の番人も、冗談を言うのね」

「さや香様!!」

そうそう。私はソフィア様じゃなくてさや香だ。〝様〟なんていらない。

「聞いてますか?」

「聞いてるから。だから、私はこのまま、あの世に連れて行かれるんでしょ?」

「いや。ですから、イリアムに行っていただきます」

「あの世にも、そんなお洒落な名前がついているのね」

いまいち噛み合わない会話も、自分が死んじゃったからと考えれば、仕方がないのかって納得できる。
せめてもの救いは、自分がひとりじゃなかったこと。イアンとダーラは、あの世の案内人といったところなのだろう。なんか変な人達だけど、いないよりはマシというもの。