身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

だからさっき、エリオットの反応に違和感があったのか。あの芝居がかった口調は、全てわかっていての対応だったんだ。


「俺宛の縁談は、エリオットも断ってくれていた。けど、今回ばかりは避けられなかったんだ」

「ちょっ、ちょっと待って。色々混乱してるんだけど……とりあえず、どうしてソフィア王女が唯一じゃないってわかっていたの?会ったことなかったのよね?」

「匂いが違うから。ソフィア王女には、一度狼の姿で近付いたことがある。それで違うってわかっていた」


どうしたらそんな状況になのかを聞くと、エディは苦笑しながら答えてくれた。

「たまに、無性に走りたくなる時がある。たぶん、無意識のうちに自分の伴侶となる相手を探していたんだと思う。
イリアムのような開けた土地では無理だから、自然の多いサンザラへこっそり行くんだ。近付いたのは、その時だな」

確かに、サンザラは自然豊かな国だった。大きな狼が走り回るには、都合が良さそうだ。

「サンザラをそのまま残したい理由の一つだな」

照れたようにそう言うと、エディは熱のこもった視線を向けてきた。