身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「それでもなお、今この俺の腕の中にいるサーヤがニセモノで、連れて帰ると言うのなら、イリアムはサンザラを敵国と見なす。その上で、サーヤは人質として捕らえてしまおう」

なんか、とんでも理論のようだけど、顔を突き合わせた面々は、至って深刻だ。


「迷う時間は与えてやらぬ。初夜がお預けになるなど、無粋なことはしないよな?」

脅すようなエディの迫力に、さすがにクラリッサも顔を青ざめた。


「答えはここで出してもらおうか。今すぐにだ」

この3人の中で、一番発言権が強いのは、おそらくイアンだろう。彼は今、必死で考えているようだ。その額には、幾筋もの汗が伝っている。




「……も、申し訳ありませんでした。サンザラの願いは一つ。イリアムとの友好関係を築くことでございます。決して、敵対することなど望んでおりません」



頭を下げたイアンは、覚悟を決めたようにバッと顔を上げた。


「サンザラ国王は、仰る通り、王女様可愛さ故に手放すことが惜しくなったのでしょう。決して、イリアムを陥れようとは思っておりません。どうか、お許しください」