身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「ああ、コホン。エドワード、気持ちはわかるが、少し待て」


まるで可愛い弟を諌めるような口調のエリオットを、エディがジロリと睨む。相手は兄である前に陛下だよ?と心配になるけれど、おそらくこれが、この兄弟の距離感なのだろう。骨肉の争いなんて心配は皆無だ。


「まだ待てと?」

「ああ。もう少し、辛抱してくれ」


〝フン〟と不機嫌そうに鼻を鳴らしたエディは、私をお姫様抱っこしたまま、元座っていたソファーへ連れていくいく。そして、そのまま……自身の膝の上に横抱きをして、満足そうな顔を私に向けた。

「ちょっ、ちょっと……」

私の小さな抵抗など、受け入れられはるはずがない。私に額に口付けをすると、目元を細めた厳しい表情をイアン達に向けた。


「やはり……サンザラ王国は、ソフィア王女を手放したくなくなったということか?」

「そ、そのようなことは……」

「違うのか?だとしたら……ニセモノを掴ませて、俺を……イリアムを笑い者にしようとしたのか?」

「と、とんでもありません」


完全に怯えきったイアン。見ているこちらがかわいそうになるぐらいだ。
クラリッサはぐっと唇を噛み締めて、俯いたままでいる。