身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「さて……俺のサーヤを、返してもらおうか」

すっと立ち上がったエディが、迷うことなく私の元へ近付いてくる。顔を隠すポンチョをさっと払って目を合わせると、途端に蕩けるような笑みを浮かべた。


「見つけた、サーヤ」

「エディ……」

「初夜というのに、夫をおいていくとは酷いじゃないか」


そう言うと、人目も憚らず、私の鼻に自身の鼻を擦り付けてきた。私が戸惑って動けないのをいいことに、鼻をカプリと甘噛みする。

その様子にクスクスと笑い声をもらしたのは、エリオットだ。エリオットもエディも、困惑するサンザラの人間なんてそっちのけだ。


この状況で、私にどう反応を返せと……?


「ポリー、サーヤの首筋も確認してくれ。でないと、サンザラの人間に本物だと証明できないだろ?」

「承知しました」


近付いてきたポリーは、私に小さく笑みを向けると、〝失礼します〟と首元に手をかけた。



「確かに、噛み跡が見られます」

そんなの、ここにいる大半の人間がわかっていたことだ。それをわざわざ全員に認めさせた。


「ということは……」

「きゃあ」

ポリーの証言を受けて、エリオットが話し出したにも関わらず、突然エディが私を抱き上げた。