身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「ここで待つように」

促されて、見慣れない部屋に足を踏み入れた。途端に、先頭にいたイアンがヒュッと息を呑んで立ち止まる。続いて、レスターもクラリッサさえも。

なにがあったのかと、チラリと上げた視線の先にいたのは、エリオット陛下とエディだった。


陛下に座るように促されては、素直に従うしかない。
全員がそうしたことを見届けると、エリオットが口を開いた。


「ソフィア王女の姿がないと聞いたが……なにか、知っていることはないか?」

どこかもったいつけるような口ぶりだ。


「先ほど、確かにソフィア様は寝室にお入りになられましたが……」

この状況に困惑しつつも、しっかりとした口調でクラリッサが答える。



「それは、このニセモノのことか?」


エリオットの横からエディの放った言葉に、サンザラの人間は困惑気味に顔を上げた。彼の合図で背後にある扉が開くと、拘束こそされてはいないものの、騎士達に囲まれたソフィア王女とダーラが入ってきた。


「ソフィア様!!」

思わず駆け寄ろうとしたクラリッサを、エディが制す。

「動くな」

怒りを含んだその声音に、クラリッサがビクッと体を震わした。