身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「そんな呑気なことを言っている場合か?」

焦りを感じさせる口調で、もう一人の騎士が言う。なにかあったのだろうか?


「どういうことですか?」

「知らないのか?ソフィア王女が姿を消したんだぞ。イリアムの騎士総出で行方を追っている」

「な、なんですって!?」


ふと城に目を向ければ、さっきまでの静けさはなく、チラチラと灯りを手に走り回る人達が見受けられる。


「とにかく、一度城内へもどるように」

有無を言わさぬ様子で促される。もちろん拒むことなんてできない。



「ソフィア様がいなくなったとは、どういうことですか?」

歩きながら状況を把握しようと、クラリッサが騎士達に問いかける。

「どうもこうもなく、言葉通りだ。エドワード様の指示の元、城の内外の捜索を開始した」


「そんな……」

顔を見合わせるサンザラの人間は、一様に困惑気味だ。もちろん、私も含めて。
ほんの少し前、寝室に入る本物のソフィア王女見届けたばかりだというのに……一体、なにが起こっているのか。