「でも、それが全て丸く収まる方法でもあるでしょ?」


全ての感情を隠してそう言う私に、エディは切なげに瞳を揺らした。綺麗なエメラルドグリーの瞳に映る私は、一体どう見えているのだろう。

今後、この美しい瞳を独占するのは、私じゃない。その事実が、どうしようもなく寂しかった。


「サーヤは、それでいいのか?」

なにかを言えば、隠した本音が溢れ出てしまいそう。
エディのことが好きだって。
ずっと一緒にいたいって。

でも、私の立場でそんなことを言えるはずない。言ったところで、どうにもならないんだから。


なにも言葉にできなくて、答えの代わりにそっと目を伏せた。




しばらくして、エディが〝ふう〟っと息を吐き出すと、室内の緊張感が少しだけ緩んだ。


「サーヤの居場所は俺が守ってやる」



それはどう言う意味で?なんて、不用意には聞けなかった。

その代わりに、ベッドに横たわって後ろから私を包んでくれる逞しい腕に、そっと手を添えた。