身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「月森さや香様といいましたね?」

「えっ、あっ、はい。そうです。さや香とでも呼んでください」

「それではさや香様。さや香様には、私たちと一緒に来ていただきます」

「それはなんのために、ですか?」

置いていかれても困るけど、連れていかれるには目的を知っておきたい。
私の問い返しに、イアンが片眉をピクリとさせたのを見逃さなかった。なにか、やましいことでもあるのだろうか?

「それは……さや香様には、ソフィア王女に扮して、イリアム王国の第二王子、イズール・デ・エドワード様と結婚していただきます」

「…………は?」

なんだか、やたら長い横文字の名前が出てきた。って、それよりも……


「けっ、結婚!?」

思わず大きな声を上げた私を、イアンは厳しい目付きで咎めてくる。
でも、突然変なことを言われたもんだもの。声ぐらい上げるでしょうよ。