身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「とりあえず、あなたは死んではいません。念のため、後で医者を呼びましょう」

頭の打ちどころが悪かったとでも思われてるかもしれない。けれど、自分としてはおかしなところなんてない。むしろ、今あるこの空間がおかしい気がする。


「ここは……どこなんですか?あなた方は誰なんですか?」

まずはここから知らないと。
男は訝しげに私を見ながらも、ちゃんと答えてくれた。

「私の名はイアン。こちらは侍女のダーラです」

侍女、ですか……次女じゃないよね?

「私達は数日前、祖国であるサンザラ王国の城を出発しました。ここはまだ、サンザラ国内です。目的地は隣国、イリアム王国。明日には国境を超えて、イリアム王国に入る予定です」 

また知らない国名が加わったよ……
いくら地理に明るくない私でも、なんとなくわかってきた。これ、現実世界の国じゃないと思う。やっぱり、世界に〝王国〟なんてつく国は、そうそうなかったはずだ。

もしかして、神隠しにでもあったのかもしれない。異次元とか、異世界とか……