身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「とりあえず、ふたりの部屋で状況を説明します」

促されるまま部屋に入れられ、腰を下ろした。これまでも座ってたとはいえ、やはりガタゴトと揺れる馬車では、それなりに神経をつかっていたようで、節々が痛い。


「まずは……あなたは何者ですか?」

説明してくれるんじゃなかったの?と思わず言いそうになる。が、続けて話す男の言葉に、グッと口をつぐんだ。

「あんな場所で倒れていたのですし、なにがあったんですか?」

「倒れていたんですか?私……」

「ええ。道の脇に倒れているのに気が付いて、保護しました」

「それは……ありがとうございます」

道の脇といっても、猫を助けた場所ではないことは、もう察している。〝この世界の〟道の脇なのだろう。



「えっと……私は、月森さや香って言います」

「歳は?いくつですか?」

その情報、そこまで迫って聞くほど重要なの?
イアンの勢いに、わずかに体をのけぞらせた。

「17歳ですけど……」

2人は目を合わせて、〝同じだ〟なんて言いながら頷き合った。一体なんなのだろう?