身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

そんなことを考えていると、不意に揺れが止まった。どうやら目的地に到着したらしい。


「降りますよ」

男の手を借りながら馬車から降りると、目の前にはやっぱりレンガ造りの建物があった。

「これを」

言うが早いか、男はサッと長めのポンチョ私にかけた。すかさず女性の方が首元の紐を縛って整えてくれる。

「その服装は、いささか異質すぎます。隠しておいてください」

慰問の時は、高校の制服を着ていく。特におかしいとは思わないけれど……


「今夜は、ダーラと同じ部屋に泊まっていただきます。私と他の者は、隣の部屋にいますから」

「はあ……」

この女性は、ダーラというらしい。名前を知っただけで、ずいぶん親しみが増してくる。けれど、ダーラの方はそうでもなく、不安そうにしている。