身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

エディとは、可能な限りランチを共にしていた。天気が許せば、芝生の広場で食べるのが恒例。彼は動物に好かれる体質なのか、毎回動物達が集まってくるから不思議だ。


そして……


「サーヤの歌声はいいな。癒される」


鼻歌でもいいから歌ってと、請われる毎日。好きだからいいんだけどね。けど、そこまでお願いされる意味がよくわからない。

歌えばますます寄ってくる動物が増えるのに、そういえば、あの黒い狼はあれ以来一度も姿を見ていない。


どうしても気になって、狼のことをエディに聞いてみた。

「サーヤは狼が怖くないのか?」

と探るように返された。

「最初はさすがに驚いたし、襲われるかもって、怖かったよ。でも、なにもされなかったし、他の動物達も近付いて安心しきっていたから、大丈夫だって思ったの」

少しだけ顔を強張らせていたエディは、私の返答になぜかホッとしていた。

「凛としていて、すごくかっこよかったんだけど、寝そべってしっぽを振ってるとか、大きな犬か猫みたい」

怖いっていうより可愛いぐらいだよっていう私に、「犬か猫……」とボソリと呟いたエディは、なぜか眉をひそめて近付いてくる。

「ど、どうしたの?」