身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「早えよ」

私に頭を乗せたまま、エディが心底不機嫌そうな顔をして、その男を睨み付けていた。

「だ、団長、そちらは?」

遠慮がちに私に視線を向ける男を見て、エディがニヤリとした。よいしょっと体を起こすと、私の肩を抱き寄せてこめかみに口付けてくる。
人前でなにしてるのよ!!っていう文句はかろうじて呑み込んだ。


「俺の愛しい婚約者。ソフィアだ」

男はますます信じられないといった様子で、私とエディを凝視している。

「せっかくイチャついてんのに、邪魔すんなよ」

不機嫌に放たれた一言に、男はサッと表情を引き締めた。

「申し訳ありません。ですが、そろそろ会議の時間です」

自分の役割を思い出したのだろう。彼からは、いくら上司でも逃しませんという意思が伝わってくる。

「もうそんな時間か。サーヤといると、あっという間だな」

私の髪に顔を埋めたまま話すエディ。恥ずかしすぎるんだけど。

「はあ。わかった。すぐに行く」

エディから満足のいく答えを受け取ると、男は〝時間厳守でお願いします〟と付け加えた。そのままクルリと身を翻して、足早に去っていった。