身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

起こした方がいいんだろうか……
エディが寝てしまってから、けっこう経ったと思う。地味に足が痛い。


迷いながら、改めて間近に彼を見ると、至る所に傷がある。さっきは顔と髪ばかりに目がいってたけれど、腕や肩口を覗くと、たくさんの傷が見える。古傷とはいえ痛々しい。

体を張ってこの国を守っている彼にとって、こうしてゆっくり過ごせる時間はあまりないのかもしれない。だったら、もう少しだけこのままで……


もう一回だけ、その髪に触れてみたいと手を伸ばしかけたその時、突然動物達が立ち上がり、いそいそと森へ帰ってしまった。エディも目が覚めたのか、身じろいだかと思ったら〝チッ〟って舌打ちするのが聞こえてきた。


「エディ?」
「団長?」


私の声に野太い声が重なる。ハッとして顔を上げると、いつの間に近付いてきたのか、ほんの少し離れた所に、厳つい顔の大柄な男が立っていた。
彼はなぜか、まるでお化けでも見たような、信じられないって顔をしている。夕食の時のエリオットみたいな。