身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「細かいことは、宿に着いたら説明します」

それはありがたい。この揺れの中で聞いても、頭に入ってこなさそう。

「はい」

後で説明してくれるって言うのだから、頭の中を巡る疑問にひとまず蓋をして、流れていく景色に目向けた。

この感じだと、夕方ぐらいだろうか?
さっきは馬に驚いて、周りを見る余裕がなかったけれど、こうして落ち着いて見ると、ずいぶんおかしい。

まず、車を見かけない。道だって、アスファルトじゃなくて、剥き出しの地面だ。
時折目にする建物だって、レンガとか石造りのように見える。もちろん、背の高いビルなんてどこにもなさそう。

自分は死んだのかもしれない。
なんて、ますます確信が深まってくる。

不思議と、恐怖心や不安感は湧いてこない。ただひたすら、疑問ばかりが出てくる感じだ。