身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「ん、くすぐったい」

私に触れるなにかを払いながら、くすぐったさに耐えかねて、無理やり目をこじ開ける。

そして……後悔した。

視界に飛び込んできたのは、見目麗しい、この国の第二王子の甘い笑み。いつの間にか向かい合わせになっていたようだ。それなのに、私の体に彼の腕は回されたままって、どういうこと?寝返った時に離れてるはずだよね?

「おはよう、サーヤ」

そう言いながら、自然な流れで額に頬に口付けをしていく。くすぐったいものの正体は、これだったの?


「あ、朝からなにしてくれてるのよ!?」

ほんの数秒、理解するのに時間がかかってしまった。両手で思いっきり胸元を押し返すも、ビクともしない。その間も私の夫(仮)は、クスクス笑いながら口付けを続行する。

「俺の婚約者の寝顔が、あまりにも可愛くて」

「なっ……」

昨日から一体なんなのか……
こんなことをされたら、体がいくつあってももたない。