身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「準備はできてるね?」

「え、ええ」

昨夜の口調とは、全く違うんですけど……
キラリとその瞳が光ったと思ったら、サッと腕を取られて、立ち上がるように促された。

「ダーラといったな?」

「は、はい」

「サーヤは私が連れていくとしよう」

「しょ、承知しました」

〝行くよ〟なんて甘く微笑みながら、自分の腕に私の手をかけさせた。そのまま、私の歩幅に合わせながら、ゆっくりと歩き出す。



「エ、エディ」

「なんだい?」

歩く中で特に言葉を交わしてなかったものの、やたら甘い視線を寄越すエディの態度に、こちらが落ち着かなくなって思わず声を上げていた。


「あ、あの、私、マナーとか全く自信がなくて……」

事情を知っているエディには、フォローをお願いしておきたい。

「ああ。すっごく面倒なマナーね」

クスクス笑うエディに、さっきの愚痴を思い出して気まずくなってくる。