身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「エ、エドワード様!!」

先に声を上げたのは、ダーラだった。

「ノックもなく入られるのは、い、いくらエドワード様でも……」

彼の行動を勇気を出して咎めるダーラに、エディは少しも反省する様子のない雰囲気で、〝すまない〟と形ばかりの謝罪を口にした。エディの肩は小刻みに揺れたままだ。


「中から、婚約者殿の可愛い愚痴が聞こえて、思わず忍び込んでしまった」


着替えの最中だったらどうしてくれるのよ!!

同じことをダーラも思っているのが、その表情からわかる。が、エディ相手にそれ以上楯突くことは控えた。

それにしても、それほど大きな声だったかなあ……?扉は閉まっていたはずだし……


「サーヤ」

甘く私を呼ぶエディに、小さな疑問は一瞬で吹き飛ぶ。ドキリと跳ねる胸を、思わず手で押さえた。

これは、あれか?仲睦まじさの演出?


「少し早いが、待ちきれなくて迎えに来てしまった」

エディは私の前に跪くと、サッと私の手を取ってその甲に口付けた。思わず真っ赤になってしまう。
ダーラなんて、目を見開いている。女嫌いだと認識していた彼が、これほど甘い言動するとは思っていなかったのだろう。