身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

案内を終えて部屋にもどると、ダーラに手伝ってもらいながら、着替えをさせられた。陛下との食事には、それなりにかしこまったドレスを着ないといけないらしい。1日のうちに複数回も着替えなきゃならないなんて、無駄な気がする。

「日に何回も着替える必要なんてある?」

髪を結い直してくれるダーラに、思わず愚痴をこぼしていた。

「あたりまえですよ。あなたは王女様なんですから。時と場に合わせた服装をしなければなりません」

「王女様って、なかなか面倒なのね」

グイッと軽く髪を引っ張られて、わずかに顔を歪ませる。

「マナーは、大丈夫そうですか?」

「たぶん……」

今夜は、陛下やエディ達との食事だ。いざとなったら、エディのマネをすればいい。

「マナーに気を付けなきゃいけないのは面倒だけど……1人で食べるよりはいいのかなあ……」

食事のマナーは指導を終えてるから、最近は部屋で1人で食べている。きっと、クラリッサがそう仕向けてるんだろう。気は休まるけれど、なんとなく寂しくもなってくるというもの。


そんなふうにダーラに愚痴をこぼしていたら、クスクスと笑う声が聞こえて、2人して飛び上がるほど驚いた。