身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

どれぐらいそうしていただろうか?
狼がピクピクっと耳を動かした。それに少し遅れて、ユキ達もわずに体を動かした。

狼はパッと目を開くと、まるでため息を吐くかのように息を吐き出した。
その様子をじっと見ていると、不意に目を合わせてきた。


「綺麗ね」


煌めくエメラルドに魅せられて、思わず呟いたのを聞き取った狼は、フッと表情を緩めた。少なくとも、私にはそう見えた。

すごく表情豊かで、喋っているわけでもないのに、その気持ちが伝わってくるようだ。


「うわっ」

すっかり油断していたら、狼はベロリと私の頬を一舐めして、サッと立ち上がった。そのままゆっくりと歩き出したかと思えば、徐々に加速して、小走りに森へもどっていく。その後を、ユキ達も追いかけていった。




「ソフィア様」

ハッとして振り向けば、ダーラが来ていた。どうやらレスターは目を覚ましているようで、近付くダーラと会釈を交わしている。

「ゆっくりできましたか?」

足を止めて問う彼女に、コクリと頷く。私の表情を探るように見て、満足げな顔になる。

「顔色がとてもよくなりましたね」

その理由は明かさず、笑みを返した。