身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

あからさまにホッとするダーラに、なんとなくイラッとした気がするけれど……気のせいだろう。襲われずに済んだのは、私としても助かったのだし。


「それより、寝坊しちゃったわ」

「いいえ、大丈夫です。今朝方、エドワード様ご本人より、慣れない環境に疲れも出ているだろうから、ソフィア様が起きるまでそっとしておくように、言付けられたので」

「エディが?」

「はい」

まさか、そんな配慮をしてもらえるとは思っておらず、彼の心遣いに、少しだけ心が温かくなる。彼の優しさに、この世界に来ていきなり背負わされたものに対する不安が、なんだか軽くなったようだ。


「ソフィア様、本日は勉強を控えて、ごゆっくり過ごすことにしましょう」

「いいの?」

「エドワード様からも、そう言われていますからね。ここまでずいぶん頑張ってこられてきたので。クラリッサは、ちょっと不満そうでしたけどね」

クラリッサの顔を思い起こして、思わず苦笑する。厳しいクラリッサのこと。〝時間の無駄です〟って、お休みなんてくれなさそう。