「広斗!」


後ろを振り返ると、そこにいたのは、家が近所のあたしの幼なじみ・水谷(みずたに) 広斗(ひろと)


あたしが幼少時から長年片思いしていて、今度のバレンタインに告白しようと思っている相手。



「琳が見てるのって、バレンタインの本?
もしかしてお前、今年のバレンタインは手作りするつもり?」


「そっ、そうだけど?」


毎年広斗には友チョコとして、コンビニや店頭で買ったチョコを渡していたんだけど……。


「って、ちょっと広斗!何すんのよ!?」


すると突然、あたしが見ていた本を、広斗に奪い取られてしまった。