「んー、なんて言えばいいのかな。東堂晃成の深い知り合い……って感じ?」

彩佳さんが片眉を上げ、笑みを浮かべる。
含みのある言い方と表情には少しの悪意が混ざっているように見え、体が強張る。

「あの、私になにか御用でしょうか」
「うん。御用なの」

即答した彩佳さんが、私の前に仁王立ちして聞く。

「単刀直入に言わせてもらう。晃成と付き合ってるって本当?」

東堂さんを〝晃成〟と当たり前のように呼び捨てにしたことに、少し驚きながらも答える。

「……はい。本当です」
「ふぅん。晃成って、あなたみたいな子がタイプだったのね。ずっと一緒にいたのに知らなかったわ」

言いながら、私の頭からつま先までを彩佳さんの視線がなぞる。
まるで値踏みされているようだった。居心地の悪さを感じて自然とじりっと後ずさっていた。

彩佳さんがモデルみたいに綺麗で堂々としているから、気持ちが縮こまってしまう。
そんな私に彩佳さんが続ける。

「ねぇ。付き合ってるって言ったけど、それってあなたがそう思ってるだけじゃなくて? きちんと相思相愛ってことで大丈夫?」

そう問われ、うなずこうとした時。それまで私の一歩後ろに立っていた渡さんが口を開く。

「それ、どういう意味だよ」

私の隣に並ぶように立った渡さんに、彩佳さんは首を傾げた。