御曹司は初心なお見合い妻への欲情を抑えきれない



『でも、私ももう大人ですし、ひとりで解決できることもあります。それに、わざわざ東堂さんの手を煩わすのは私も嫌ですし』という私の主張は、初めて見る怒りを含んだ目を前に押さえつけられた。

『ひなたが大事だから頼んでる。心配する俺の気持ちがわからないか?』
『……いえ。すみませんでした。今後はきちんと相談します』
『ああ。どんな小さなことでもそうして欲しい』
『……善処します』

そんな会話をしたのは昨日の日曜日で、私はまだベッドの上だった……と、そこまで思い出して顔が一気に熱を持つ。
その会話をした数十分前まで、東堂さんと私がそこでなにをしていたのかが頭に浮かんでしまったからだった。

土曜日の夜、事を終えたあと、初体験を済ませぐったりしていた私はそのまま眠ってしまった。
翌日、日曜日の朝目が覚めると東堂さんは隣で寝ていたけれど、きっと私が眠ったあと、渡さんに連絡をとったということなんだろう。

そのまま八時頃までふたりでベッドのなかでまどろみ、そのあと、やや強引にお風呂に一緒に入らされて、そういう流れになり……私がベッドから出たのは昨日のお昼過ぎとなった。

東堂さんの体温や、息遣い、私を呼ぶ掠れた声が今も鮮明に思い出せるせいで、ここは公道だっていうのに顔を覆ってしゃがみたくなった。

「春野? どうかしたか?」
「い、いえ。大丈夫です」

しばらくは片手を頬にあててうつむいていたけれど、気持ちが落ち着いたところで渡さんを見上げた。