「あの、でも、帰国したばかりで疲れてるんじゃ……」
「多少の疲れはある。でも、それ以上にひなたを抱きたい。……嫌か?」
会話の間も、優しく触れるだけのキスが続いていて、私の思考能力を低下させる。
こめかみや頬、鼻先に落ちてくるキスに体全部がとけていくような感覚に陥った。
抱きたいと思ってくれたことが嬉しくて、甘く色づいた雰囲気に流されそうにもなったけれど、思い当たった不安が消せず口を開いた。
「嫌、じゃなくて……でも、その、心配で」
「心配?」
「はい……。今までこういう経験をしないできたので……自分の体が他の人みたいにちゃんとしてるのかどうかが、心配で」
色々、周りから聞いた知識はあるけれど、経験値はゼロだ。
だから、そういう局面できちんと対応できるのか、正解を私が持っているのかが心配だった。
東堂さんが今まで関係を持ってきた他の女性となにかが違ったらどうしようと考えると不安で堪らなくなる。
とにかく、きちんとできなくて東堂さんを落胆させたくないという思いが強かった。
そう訴えた私に、東堂さんはなぜか愉しそうに笑い唇を合わせた。
「ひなたは、ただ素直に感じてくれればいい。もしずっと、そんな不安が消えないくらい集中できなかったら、それは俺の責任だから」
甘やかすようなキスが顔中に落ちる。
そうしながらも私の服を脱がしていくスムーズさに最初は感心したり驚いたりしていたのだけれど……そんな考えや不安が頭にあったのは、東堂さんの言った通り、始めだけだった。



