御曹司は初心なお見合い妻への欲情を抑えきれない



「なに……なんで、姉ちゃんが……」
「引きこもり卒業したのかと思ったら、最初にすることがこれ?! ひとり暮らしの女の部屋の前でわめく気力があるなら大学だってなんだって行けるでしょ! しっかりしなさいよ」

准さんに馬乗り状態で最初からギア全開状態の彩佳さんが、「はー……」と大きなため息をついたあと、准さんに言う。

「昨日ひなたから連絡がきたの。そこで色々話して、もしも准が会いにきたら教えてくれるようお願いしてた。さっき連絡が入ったから、車とばして急いで駆けつけたのよ」

おかしいと思ったのは、私をつけていたのが彩佳さんだと、渡さんから教えられた日。

私も電車内で見かけているし、犯人は彩佳さんで確実となった。
でも、直接私の前に姿を現してハッキリと物事を言う彩佳さんが、今更私をつけ狙う意味がわからない。

だから、渡さんに彩佳さんの連絡先を教えてもらい、会う約束をしたのが昨日。
待ち合わせたカフェで、諦めたようにため息をついた彩佳さんは色々と教えてくれた。

『弟がいるのよ。准っていうんだけどね。勝手に東堂の名前のプレッシャーに負けて、今は引きこもり状態なの』

准さんは、とにかく周りの目を気にする性格らしく、中学や高校の頃から勉強を必死に頑張っていい順位をとってきたらしい。
それが、大学受験失敗を機に、一気に崩れたと彩佳さんは話した。