学校へ登校すると、今日は物凄く見られた。

ヒソヒソと何か言われていて、メイクが濃すぎたのかとヒヤリとしたけれど、亜未ちゃんとひーちゃんは似合っていると言ってくれたのでホッとした。


春日井くんにいよいよお披露目の放課後。ドキドキしながら廊下で待っていると、「ねえ」と声をかけられた。

そこにいたのは春日井くんではなく、初めて話す男子。



なんだろうと思って首を傾げると、上から下まで舐めるように見られてぞわりと粟立つ。


「御上さんってそういう雰囲気も似合うんだね」

「……どうも」

「連絡先、交換しようよ」

「彼氏がいるので、ごめんなさい」

たとえいなかったとしても、あまり教えたくないタイプだ。

明らかに私をそういう目で見ていて、私の好きな恥じらい男子ではない。ちなみに春日井くんは心にウブがいるので別格。


はっ……またそんなことを考えてしまった。禁句って兄に叱られたばかりなのに。


「彼氏って」

何がおかしいのか男子が薄く笑う。