逆に、チェリーのように男性側が人間である場合はどうなのか?チェリーに尋ねてみた。


「んーとね、指輪をするでしょ。あとは、ひたすら相手に尽くすのみ。
けど、人間の男の人は、奥さんが四六時中一緒にいることを嫌がる人も多いでしょ?」

まあ、確かにそうかもしれない。

「だからね、私達みたいに出勤と帰る時間は必ず合わせて、なにげに自由な時間を作らせないとか?」


可愛い顔して、なかなか黒いことを言うチェリー。意外な一面だ。
でも、それほど相手に一途ってことなのかも。


「それにね、獣人って、人間と比べていろいろと敏感なのよ。だからね、匂いとかちょっとしたことで、相手が何をしてきたのかわかっちゃうの。勘も鋭いから、相手が嘘を言っているのか真実を言っているのか、けっこうわかっちゃうしね」


つまり、万が一相手が浮気したとして、本人は否定をしていて証拠もなかったとしても、全てバレてしまうってことね。



そんな能力が人間にもあったのなら、私の無実も簡単に認められたのかもしれない。
未練は一切ないけれど、自分が悪者にされたままなのは、しっかりと心に影を落としている。