「あっ!!」


水晶の中に、もやがかかっていくその様子をじっと見つめていると、少しずつ薄れていき……

次の瞬間、思わず笑みを浮かべていた。


「ドリー!!父は自然の多い田舎で、牛の世話をしているようよ。あっ、野菜も育てているみたい。作業着に帽子なんかかぶって……すごく、すごくいい顔をしてるわ」


どうやら、父はずっと心のうちで望んでいた生活を手に入れられるみたいだ。いや、もう既に叶っているのかもしれない。


「よくやった、ライラ」

満足そうに頷くドリーに、微笑みで応える。

「心配いらぬ。父上は、大丈夫だ」


よかった。
父のことだけが心配で、心残りだった。

父の様子がわかったし、これからは私も、ますますやりたいように生きれるわ。



「ライラ。占いの腕は、もう問題ない。明日から占い師として活躍してもらうとしよう」

「はい!!」


こうして、晴れて占い師として、スタートを切ることとなった。