ジリジリと、嫌な緊張感に包まれた時間が過ぎていく。
水晶にはたまに霞がかるものの、具体的なことはなに一つ見えてこない。それがもどかしいと思いながら、心のどこかで〝見たくない〟気持ちも消しきれない。
「はあ、はあ、はあ……」
いつの間にか、額に汗を浮かべて息を切らしていた。
水を飲んで一息つくと、もう一度父の未来と向き合う。
父は母を亡くした後、仕事と私のことで落ち込む暇もないほど忙しい日々を過ごしていた。
家に使用人もいたのだから、私のことは任せきりにしてもよさそうなもの。しかし、父は時間の許す限り私と一緒にいてくれた。
子どもは私1人だったから、後継のことも頭を悩ませていただろう。
日々の生活の中で心身ともに疲れてくると、〝今日は休みにした〟なんて宣言して、私を連れて大きな公園に連れ出したり、お買い物に連れて行ったりしてくれた。私の隣で一緒にのんびりと、ゆったりとした時間を過ごすごすこともあった。それが私にとって、かけがえのない時間だった。
水晶にはたまに霞がかるものの、具体的なことはなに一つ見えてこない。それがもどかしいと思いながら、心のどこかで〝見たくない〟気持ちも消しきれない。
「はあ、はあ、はあ……」
いつの間にか、額に汗を浮かべて息を切らしていた。
水を飲んで一息つくと、もう一度父の未来と向き合う。
父は母を亡くした後、仕事と私のことで落ち込む暇もないほど忙しい日々を過ごしていた。
家に使用人もいたのだから、私のことは任せきりにしてもよさそうなもの。しかし、父は時間の許す限り私と一緒にいてくれた。
子どもは私1人だったから、後継のことも頭を悩ませていただろう。
日々の生活の中で心身ともに疲れてくると、〝今日は休みにした〟なんて宣言して、私を連れて大きな公園に連れ出したり、お買い物に連れて行ったりしてくれた。私の隣で一緒にのんびりと、ゆったりとした時間を過ごすごすこともあった。それが私にとって、かけがえのない時間だった。



