婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

名残惜しさはあったものの、存分にふわふわの毛を堪能して手を離した。


「ありがとう、チェリー」


ここへきて、しみじみと感じた。

獣人に対して、何をそんなに怯える必要があるのだろうかと。

頑なに獣人を受け入れてこなかったグリージア王国の姿勢が、なんだか残念でならなかった。


グリージアでも、人間と獣人が共存できればいいのに……