婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

その他、取り立てて目印のないこの地帯は……


以前教えてもらった、教師達の言葉を思い起こす。

おそらくここは〝緩衝地帯〟だ。



グリージア王国とサンミリガン王国は、敵対こそしていないものの、友好的な交流はほとんどない。
とはいえ、人間の商人レベルの行き来はあるし、曲がりなりにも隣国同士とあって、王族同士のやりとりはあるらしい。ただし、それも最小限のもので、国王陛下とその側近のみしか顔を合わせないという。


今でこそ、グリージアでも獣人の存在を認め、協調を目指してはいるけれど、昔は違った。

どこか獣人を忌み嫌う風潮は、今もなお完全にはなくならず、直接国境を接するには抵抗がある。
無用な争いを避けるために、両国の間にはどちらの国にも属さない緩衝地帯が設けられたのだ。