婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「一生のうちで、〝番〟って認定するのはたった一人なの。だからね、ライラに振られちゃったら、ルーカスは一生独りだよ」

「へ、へぇ……」


「客観的に見て、どんなに素敵な女性に出会ったとしてもね、ルーカスにはライラだけなんだよ。他の人なんて目に入らないの」

「ふ、ふうん……」


聞かなきゃよかったかも。これ、私に責任はないのよね?
かわいそうだっていうのもあるけれど、次期国王として、もし一生独身だったら、世継ぎはどうするっていうの?

いや。誰も口にしていないことを言ってしまえば、藪蛇になりかねない。この件は気付かないふりをしておこう。


「わ、私、ぬめぬめっとしたものは、どうしても苦手なのよね」

「ぬめぬめ?」

事情を知らないチェリーは、首を傾げた。
その向こうで、がっくりと肩を落とすルーカスと、小馬鹿にしたような目を向けるアルフレッド。


「どちらにしても、これだけここに通い詰めてる以上、ルーカスもアルフレッドも、これ以上の出会いは望めないわ。2人とも、もっと自分の国に目を向けるべきよ。可愛い子がたくさんいるはずよ。
あっ、でも、ここにはミランダがいたわ」

思わず揶揄ってしまう。

「ひぃ」
「やめろ」

もちろん、家臣の後ろに素早く隠れている。