婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「で、なんで2人もいるの?部屋で仕事中だったんじゃあ……」

「ココアの香りがしたからな。番と一緒に一休みしようかと思って」

左様ですか……

「私も、ちょうど区切りがついたからな」

こちらもですか……



「ねえねえ、ルーカス」

チェリーにかかれば、自国の王子も知り合いレベル。話しかける様子もいつも通りだ。
ルーカス自身も、この宿では普通に接することを咎めないし、ある意味心地良く思っている節がある。だから、これはこれでいいのだろう。


「なんだ、チェリー」

「もうずっと、ライラのことを番って言ってるのに、どうして契りを交わさないの?」

「そ、それは……」

チェリーに邪気は一切ないのよ。

「させるか、そんなこと」

アルフレッドのけっこう大き目な声を、見事にスルーしたチェリーは、ルーカスにさらに詰め寄る。