婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「い、いいのか、チェリー。ミランダに子どもを任せても……」

「あら、ルーカス様。どういう意味かしら?」

今まさに仔ウサギを手にしたミランダに、ルーカスは飛びかからんばかりに体の重心を落とした。若干、腰が引けてるけど。


「い、いいか、ミランダ。抱き上げるだけだぞ。間違っても食べたらダメだぞ」

「ぶほっ」

思わず吹き出したのは、カウンターの中のドリーだった。

「だとさ、ミランダ」

笑いを堪えるドリー。
ミランダは不服そうに、その美しい顔を歪めた。


「ルーカス様、失礼ですわよ。こんなに可愛らしい子を食べるわけありません」

「そ、そうか」

「食べるとしたら……」


そう言いながら、妖艶な流し目をルーカスに向ける。まるで、獲物に標準を合わせた女豹さながらだ。いや、間違えた。カエルを睨むヘビ。