婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「セシリア、申し開きがあれば聞こう」


苦々しく言うアルフレッドには、さすがにズキリと胸が傷む。
私は彼を、愛してしまっていたから。



最愛の人から向けられた険しい目線に、確信した。

今の彼には、私がなにを言っても心に響かないだろうと。


私を愛してくれていたからこそ、このでっち上げられた裏切りの数々に、冷静になれなくなっているのだろう。


報告されたこと全てが事実でないことは、私が一番よく知っている。

けれど、ここまで証言を固められてしまえば、私がいくらここで無実を訴えても通らないのだろう。


それでも、ここまで私を育ててくれた父のためにも、言わずにはいられなかった。



「私は、無実です。全ての事柄に、身に覚えはなに一つございません」



集められた証人の貴族達の間に、ざわめきが広がる。


「言い逃れなんて、できないぞ」
「これだけのことをしておいて、見苦しいぞ」