「あなたも、2日に1回は見かけてる気がするけど?」

私の小さな突っ込みは、さらりと流される。


「はあ……」

「どうした、ライラ」

「ため息をつくと、幸せが逃げるというぞ」

〝なあ、ジャレット〟と言われ、〝ええ〟と同意する家臣。
誰のせいだ、誰の!!


「アルフレッド、あなた、本当の姿を見せ合える婚約者を探すんじゃなかったの?」


疑わしげな視線を送る私に、アルフレッドはにっこりと、それはもう、どこから見ても誰が見ても王子様然りの、キラッキラな笑みを向けてきた。胡散臭い。


「ああ。セシリアのことは本当に愛していたから、長く引きずってしまったが、もう吹っ切れた」

「それは良かった」


では、なぜここに来るのかと瞳で問いかける。ついでに、〝帰れ〟の意も込めて。