婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「ド、ドリー。なんとかしてよ」

半泣きになりながら、ドリーに助けを求めた。


「落ち着け、カエルの王子」

〝カエル〟に反応したルーカスが、ジロリとドリーを見る。

「俺は落ち着いている」

「とりあえず、ライラを離してやりな。ここでライラに口付けしても、カエルの魔法は解けんぞ」

「なんだって!?」  

一応、手は離してくれたけど……
ていうか、無理やり口付けするつもりだったの!?

「ライラは俺の番なのに……」

ぐちぐちこぼしながら、ルーカスは私の手を引いてドリーの座る向いに腰を下ろした。もちろん、私を隣に座らせて。


「ライラは俺の番だぞ」

「違うから!!」

私達の正反対で噛み合わない言葉を、ドリーがおもしろそうに聞いている。