婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「で、確認のために聞くが、カエルの呪いを解く方法は?」

ずいっと詰め寄るルーカスに、ドリーはニヤリとする。


「解く方法は……」

「方法は?」


ルーカスの喉が、ゴクリと鳴る。
ああ、ドリーの顔。答えは絶対に、アレよね……


「お姫様の口付け」

「やはりな!!」

バッと振り返ったルーカスは、これまで見た中で一番の素早さで近付いて、私の肩をガッチリと掴んだ。


「ライラ!!」


キラキラ輝く瞳には、もう、一つのことしか見えていない。

「ル、ルーカス、落ち着いて。いい?私はお姫様じゃないわ」

「問題ない。ライラは俺の番に決定している。つまり、お姫様だ」

いやいやいや。決まってないから。
その俺様理論をかざすのはやめていただきたい。


「やはり、俺の窮地を救うのは、最愛の番、ライラだけだ」

「そんなわけがないでしょうが!!」


顔を近付けてくるルーカスを、両手で必死に押し返す。
ジャレットなんて、呪いが解けるのならって、ルーカスの暴挙を止めないし。