婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「◯月◯日、ハンナ嬢の控室にセシリア嬢の立ち入った直後、アクセサリー類がなくなっているとの報告が…………
見回りの騎士達も、セシリア嬢の他に立ち入った者がいないことを証言しております」


ハンナ嬢……

ハンナ様本人に呼ばれて、彼女の控室に行ってみても、誰もおらず。その時点でおかしいとは思っていた。

それに、あの時は見回りの騎士達だけでなく、侍女達ともやたらすれちがったことを思い出した。

証言は山のように出たのだろう。


ただ一つ、実際にハンナ様のアクセサリー類を手にしている私を見た者はいないはずだ。


「一部の侍女からは、セシリア嬢がアクセサリーを手にしていたとの証言がありました。が、セシリア嬢が部屋を出た直後に居合わせた騎士によると、何も手にしていなかったとも報告が上がっています」


つまり、侍女らは買収できたけれど、さすがに騎士まではできなかったってことか。
私にとって、その騎士の存在はなによりもありがたかった。
この証言によって、私のその後の処遇がマシなものになったから。