婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

その時は、予定通りやってきた。


今、私は、国王陛下と王太子アルフレッド殿下の前に、膝立ちにさせられて、婚約破棄に至った理由を聞かされている。

それを読み上げるアルフレッドの側近は、感情を一切滲ませない、淡々とした口調だ。




「◯月◯日の夜会でのこと。ファインズ子爵家のエイミー嬢を個室に連れ込み、ドレスに水をかけ…………
目撃者は多数。さらに、エイミー嬢本人からの証言もとれております」



エイミー嬢……
確かに、覚えている。

ヴァネッサの取り巻きと、ドレスの色が被ったとかなんとか因縁をつけられて、わざと飲み物をかけられてた。

見かねた私は、その場を離れたエイミー嬢を追いかけて、せめてもと水を浸した布でシミをはたいて……

それによって、確かにドレスの濡れは広がったけれど、水をかけたなんて言われるようなものじゃなかった。


ものは言いようね。
エイミー嬢本人の証言だって、ヴァネッサの手が回ったのだろう。

いや、そもそも最初から仕組まれたことだったのかもしれない。