婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

しかし……

水晶は、時して残酷な未来も見せた。

アルフレッドとの幸せな未来を見せた数日後、私が水晶の中に見たのは、厳しい表情をしたアルフレッドと、真っ青な顔をした父ブランドンの姿だった。


目を凝らしてみると、アルフレッドは1枚の用紙を掲げ、厳しい表情のままそれを破り捨てた。

(あれは……婚約を締結した際の書類?)


それをあんな表情で破り捨てたということは、婚約が破棄されたのだとすぐに理解した。

それにしたって、王太子殿下ともあろう方が、激情のまま書類を破り捨てるなんて、なにかおかしい。


手に汗を握りながら、その様子を見ていると、次に場面は騎士にせっつかれるように歩かされる私を映し出した。

すれ違うヴァネッサ・カニンガムをはじめ、その取り巻きの令嬢達は、満足そうに私を見ている。


(ああ、そういうことか……)