婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

とりあえず、これ以上被害者を出さないようにと、サンミリガン側は当面の間、獣人が人だと偽ってグリージアに入国することを禁止した。

これまで黙認されてきただけに、反発が起きそうだけれども、そこは命が関わるかもしれないから強制的に取り締まると、ルーカスが独断で決めた。


「それならば、グリージア側も理由を作ろう。そうだなあ……ああ。マージュミアルから使節団でも招こうか。前々から、グリージアが得意とする絹織物の工場を見学したいと、申し入れがあってな。ちかいうちにと思っていたところだ。もちろん、使節団には魔女も多数いるはずだ。
いくら人型でも、魔女の目は誤魔化せない。そうだろ?ルーカス」

「ああ。執念……とでもいうのか、魔女は種族までは見抜けないようだが、相手が人間が獣人かを見分けられる」

「ならば、日程は伏せて、使節団の訪問の情報をサンミリガンにも流せばいい。我が身が可愛いなら、しばらくグリージアに入るなとでも言えば手っ取り早い」

「それはいい!!はじめてアルフレッドのことが良いやつかもと思えたぞ」

「ルーカス、一言多いぞ」


なんだかんだ言って、この2人、仲良くなってない?
まあ、両国には友好的になって欲しいから、全く問題ないけど。