婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「ルーカス、アルフレッド。グリージアだとかサンミリガンだとか、人間だとか獣人だとか言ってないで、手を取り合うべきだわ。あなた達の代で、この2国の関係を正していくべきよ」



目的を同じくした2人の行動は早かった。
早速、現状の把握と作戦を立て始めた。




「カニンガム家は、前々から黒い噂が流れていたんだ。金の羽振りが良すぎる。いろいろ探ってはみたが、しっぽを掴めずにいた」

「しっぽだと!?」

「言葉の綾よ、ルーカス。獣人への当て付けじゃないから」


もう、めんどくさい。言い回し一つ気にしなきゃいけないらしい。


「息子のレナードが、どうやらサンミリガンの商人とは通じているらしいことは、耳にしていたんだ。てっきり、グリージアでは手に入らない宝石類の購入ぐらいかと思っていた」


そういえば、妹のヴァネッサはいつも珍しい宝石や、あまり馴染みのないデザインのハンカチ等、いつも取り巻きに自慢げに見せていたわ。