婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「それより、そんな身分の2人なら、お互いに知ってたんじゃないの?」


ぽつりと呟いた私に、ジンとチェリーがコクコクと首を振って賛同した。


「いや、もしかしてぐらいしか……」
「オレも……」


なんてことだ。

ああ、そうか。
この2国は、形式的なやりとりぐらいしか交流がないんだった。


「国王と側近ぐらいしか……」

「はあ……」

アルフレッドの言葉に、思わずため息をこぼしたのは私だけではなかったようだ。


「とりあえず、こんな好都合なやんごとなき2人がそろっているんだもの。ギムの相談をしましょう」


〝好都合〟〝やんごとなき〟なんて2人の呟きは無視をして、ことの次第をジンに説明してもらった。