婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「待ってください。考えなしに乗り込むのは、危険すぎます」

「ですが、ギムが……」


店内に残っていたアルフレッドとルーカスが、何事かと立ち上がる。ついでに、2人のお供も。


「獣人を毛嫌いするグリージア人のこと。なにをされるか……」


「なに?グリージアの民が、どうしたというのだ?」

そうだった。
この人、グリージアの王太子だったわ。


「おい、グリージア人が、獣人をどうしたって?」

ルーカスは正義感が強いのかしら?


「私の息子のギムが、グリージア人によって監禁されている可能性があるんです」


今にも店を飛び出さん勢いのジンを、アルフレッドとルーカスが止めた。